2022年10月の定例講演会/「直近の台湾情勢及び台湾と日本の絆」/台北駐日経済文化代表処横浜分処 処長/  張 淑 玲 氏

講 師 台北駐日経済文化代表処横浜分処 処長 張 淑 玲  

演 題 「直近の台湾情勢及び台湾と日本の絆」

日 時 2022年10月24日(月)午後1時30分~3時

会 場 ロイヤルホールヨコハマ5F「リビエラの間」


 神奈川政経懇話会は24日、10月定例講演会を横浜市中区のロイヤルホールヨコハマで開催した。「直近の台湾情勢および台湾と日本の絆」と題し、台北駐日経済文化代表処横浜分処長の張淑玲氏が講演。中国との緊張が高まっている台湾海峡について、「平和と安全のためには友好的な国々と連携を深めていくことが大切」と呼びかけた。
 日本と台湾の国交断絶から50年が経過したが、新型コロナウイルス禍前(2019年)の往来は708万人で、うち台湾からは491万人が来日した。張氏は「台湾の人口のおよそ4人に1人が毎年訪れている。リピーターが多く、温泉地などの秘境も台湾人が行かないところは知らない」と説明。台湾人の60%が最も好きな国・地域に日本を挙げ、日本人も76%が台湾に親しみを感じているとの調査結果を紹介し、「心と心の交流が進んでいる」と語った。
 また、県内でも昨年に逗子市、今年は小田原市、寒川町、三浦市の各議会で友好議員連盟が発足するなど交流が深化している点を強調。中国政府による軍事的圧力を念頭に、「ウクライナのようなことをアジアで起こしてはならないと、人ごとではなく危機感を持ってくれている人が多い」と謝意を示した。
 経済情勢にも言及し、台湾の半導体製造は12年連続で世界一と説明。「(中国が)誤った行動を取らないよう同じ価値観を持つ民主主義国家が連携することが重要」とし、経済安全保障推進の必要性を訴えた。

 

ちょう・しゅくれい 台北駐日経済文化代表処横浜分処(中華民国<台湾>駐横浜総領事相当)処長。1968年生まれ。外交部大臣秘書官、亜東関係協会(現台湾日本関係協会)総務部長、教育部長、台北駐日経済文化代表処政治部長、台湾日本関係協会秘書長などを歴任。2019年4月から現職。