▽はじめに
神奈川政経懇話会は、1966年4月19日に神奈川新聞社の一部門として誕生し、ことし60周年を迎え、全国の地方紙に設置されている政経懇話会では最も古い歴史を持ちます。国の公益法人改革を受け、2012年4月、社団法人から一般社団法人に移行。県により課せられた公益目的支出計画は2022年度に完了しましたが、公益活動は継続し地域の発展に寄与しています。60周年にあたり特別な事業は予定しておりませんが、講演会などを充実することで、記念の年を記憶に留められるような年としたいと思います。60年は人では還暦にあたり、初心に返り、会員の皆さまと地域に役に立つ運営を行ってまいります。
さて、2025年は、トランプ関税と米価高騰など物価高に揺れた1年で、参院選で自公連立政権が敗北し、石破内閣の退陣、初の女性総理大臣である高市首相が誕生。台湾有事に関連した高市早苗首相の国会答弁が、日中問題に発展し、影響は2026年にも続くとみられています。県内では、日産自動車が、ホンダとの経営統合協議が破談となり、追浜工場と日産車体湘南工場での車両生産の終了を決め、本社ビルを売却するなど、波乱の1年でした。
2026年は、米国の中間選挙(11月)に向け、トランプ政権が中国との一時的な融和を進める一方で、日本への防衛力増強を求め、安保関連3文書の改定作業も進むでしょう。27年1月からの防衛増税をはじめ、議員定数、選挙制度などで議論が予想されます。国内景気は、緩やかな回復が続くと予測されており、4月の賃金上昇と高市政権の積極財政による債券安や円安、金利や物価の上昇が予想されています。生成AI(人工知能)や自動運転などの新技術の発展も一層進み、社会構造の変化が予想され、時代の変化に取り残されないようにすることが大切です。
こういう時代だからこそ、神奈川政経懇話会では会員のご期待に応えるべく、タイムリーで的確な情報を伝え、考えていただくため、講演会や会報、視察(見学会)などの事業を続けてまいります。
会員あっての当会は、2026年度も神奈川新聞社との連携をさらに強化し、会員の皆さまが「入っていて良かった」と思える、魅力ある事業展開、組織運営に注力してまいります。会費で運営される当会にとって会員数の増強は組織運営の基盤強化につながり、さらに事業の充実を図る上で重要となります。このため、引き続き会員数の増強に力を入れていきますので、ご協力をお願いします。
2025年度の事業実施は定例講演会を12回実施(2・3月開催予定含む)し、視察・見学会も開催しました。ユーチューブによる動画配信(後日に期間限定)も併用し、ご予定が合わなくとも、会場にいらっしゃれなくとも講演をお聞きできるように努めてまいりました。これからも会員の皆様の声に耳を傾け、ご満足いただけるよう、事業内容の改善に努めてまいります。
▽定例講演会の開催
神奈川政経懇話会の事業の軸は、幅広い分野から講師を招いて毎月開催する定例講演会です。
【2025年度】
詳しくは5月開催の決算理事会での報告になりますが、3月までに講演会を12回開催(一部予定)。県内を代表する企業であるディー・エヌ・エー会長の南場智子氏、ありあけ創業オーナーの藤木久三氏、有隣堂社長の松信健太郎氏にご登壇いただきました。台風シーズンを前に横浜国大台風科学技術研究センター長の筆保弘徳氏、自民党総裁選を前に神奈川新聞社特別編集委員の有吉敏氏、2027年のNHK大河ドラマの主人公・小栗上野介について万延元年遣米使節子孫の会理事の堀早百合氏など、時期に応じてお招きし解説していただきました。
【2026年度】
本年も月1回講演会を開催し、ユーチューブによる動画(後日・期間限定)配信も可能な限り併用してまいります。地元首長や政治家、国内外で活躍する経済人など神奈川ならではの講師を軸に招く方針です。一方で時宜を得た、評論家やジャーナリスト、研究者なども含め、会員企業・団体にとって経営(運営)のヒントにつながるような講演会にしていく所存です。神奈川を代表する企業・団体からも登壇していただくよう準備を進めております。「こういう人の講演を聞きたい」「こんなテーマで講演会を開催してほしい」という要望があれば、ぜひ事務局にお寄せください。
定例講演会は時局に応じたタイムリーな話題をお届けできるよう心掛けており、講師や演題は開催1カ月~1カ月半前の案内になりますが、可能な限り、ちらしや政経かながわの表紙裏などで早めに告知してまいります。会場選定にあたっては、これまで通り会員ホテル・ホールを中心としながらも、厳しい運営環境の中、公立の施設なども活用してまいります。
▽会報の発行
年間21回発行している会報「政経かながわ」は、2026年3月24日号で通算2255号になります。会報は原則第2、第4火曜日の発行ですが、郵便の都合でお手元に届くのに2日かかってしまうようになりました。誌面は、神奈川新聞社編集局幹部が輪番で執筆する「視点点描」、定例講演会の詳報、地元神奈川の経済ニュースを集めた「かながわTODAY」、県内の景気動向を見る「神奈川景気データファイル」のほか、共同通信社から記事を購入している政治、経済、文化各分野等の旬の情報、身近な話題の「くらし2026」などで構成されています。「かながわTODAY」には会員の皆さまの事業活動などに関するニュースも収容しております。
▽国内視察事業
25年度は、キリンビール様のご協力で、2026年に移転100周年を迎える同社横浜工場を視察。藤原義寿工場長に同工場の特色だけではなく、26年の酒税法改正でビール、発泡酒、新ジャンルの税率が一律化されるのを前に、力を入れていることなどを話していただきました。また、同年3月には横浜市立大学様のご協力で、前年にオープンしたばかりの同大オープンイノベーションラボの見学も実施(予定)。26年も県内で注目される施設や話題になっている施設を見学できるよう準備してまいります。
▽公益事業の実施
当会の目的の一つである、地域経済および地域社会の発展のため、年に1回程度、講演会に県民招待を行っています。2025年度は、近年被害の増大が目立つ台風について、地元横浜国立大学の台風科学技術研究センター長の筆保弘徳教授にそのメカニズムや被害の傾向、被害を抑え、さらに発電などで恵みに変えていこうという研究について報告していただいた。県民53人を会場招待しました。26年度も県民招待を行ってまいります。
▽その他 2024年4月から横浜健康経営認証2024認証事業所(クラスA)となっておりましたが、26年度からはクラスAAと1ランクアップした認証を取り、健康経営にも努めてまいります。
会員交流会は、物価上昇や会員減による厳しい財政状況のため、2025年度は参加無料では12月の年1回開催に戻しましたが、8月の見学会に合わせて、参加費をいただく形でも
実施しました。26年度も適宜工夫しながら、情報交換の場としての交流会開催を検討していきたいと存じます。

