2024年度事業報告
▽はじめに 神奈川政経懇話会が設立から58年目に当たる2024年度は、コロナ禍からすっかり経済活動など日常が回復し、講演会、会員交流会などの主な行事を行うことができました。また、同年度も情報交換や交流の強化を図るため、会員交流会を12月だけではなく、上半期の5月に視察とともに実施できました。本会は、定款に「神奈川県の地域経済及び地域社会の発展に寄与」と目的をうたい、事業に「会員及び一般県民を対象とする講演会、研修会を開催する」となっているため、7月の講演会に県民の招待も実施しました。
さて24年度も、神奈川新聞社との連携強化の下、事業の充実や会員の増強に努めましたが最終的には会員減となりました。事業の充実、会員増強の活動方針は2025年度も継続してまいります。24年度は、会員の皆様が出席するリアル形式の講演会を月1回のペースで、計12回開くことができました。ユーチューブによる動画配信も計10回併用し、会場に来られなくとも視聴することができるように務めました。
今後も会員の皆さまにとって役に立つ事業展開と組織運営に注力してまいります。
▽定例講演会は12回開催 幅広い分野から講師を招き毎月開催している定例講演会は神奈川政経懇話会の事業の柱です。2024年度は、ファンケルの創業者で名誉相談役の池森賢二氏(4月)、シウマイ弁当が70周年を迎えた崎陽軒の野並晃社長(9月)、横浜市長の山中竹春氏(6月)、川崎市産業振興財団の三浦淳理事長(当時、5月)、甲子園通算51勝を記録し、松坂大輔ら多くのプロ野球選手を輩出した元横浜高校野球部監督の渡辺元智氏(3月)、元国会議員で日本体育大学理事長の松浪健四郎氏(8月)、横浜の名門フェリス女学院で初の女性学長となり改革を進める小檜山ルイ氏(2月)などを講師に迎え、会員、県民招待合わせて延べ682人が参加しました。横浜高校の選抜高校野球大会の優勝前に渡辺元監督に同校の戦力について語っていただいたり、ファンケルのキリンビールの完全子会社化前に池森氏にご講演していただいたりと絶妙なタイミングで開催できたと思います。
24年度は自公政権が少数与党となったのをはじめ、米国や欧州など世界的な与党政権への逆風が吹きましたが、政治ジャーナリストの鮫島浩氏(11月)に国内の政治情勢を語っていただいたほか、米大統領選の直前にトランプ氏の再選を予想してもらった慶応大湘南藤沢キャンパスの渡辺靖教授(10月)などタイムリーなテーマで行えました。また、歴史学者の本郷和人氏や歴史作家の伊東潤氏に、歴史から学ぶ教訓などを伺うことができました。
計12回の定例講演会には延べ16人の経済人や政治家、専門家に講師を務めていただきました。分野ごとに大別すると政治・行政2回、経営・経済3回、国際関係2回、歴史・文化2回、教育1回、スポーツ1回で、共同通信の3部長に新年の政治、経済、外交を分析してもらうシンポジウム1回となっており、時機にあった幅広いテーマの定例講演会が開催できたと考えております。
3月の定例講演会で通算1256回の開催となりました。
▽公益事業 公益目的支出計画は終了しましたが、前述の通り、県民の無料招待を2年連続で実施し、会員を含め155人が参加しました。講師は、テレビでも活躍中の地元横浜の歴史作家伊東潤氏で、戦国武将の史実から現代にも通用する教訓を解説していただきました。
▽会報は21回発行 年間21回(第2、第4火曜日)発行している会員向け情報誌「政経かながわ」は、2025年3月25日号で通算2231号になりました。定例講演会の詳報や、神奈川新聞編集局幹部が順番で執筆している「視点点描」、県内の経済ニュースをまとめた「かながわTODAY」、景気動向を見る「神奈川景気データファイル」をはじめ、政治、経済、国際、社会、スポーツなどさまざまな分野の旬の話題をお届けしております。25年1月に講演していただいた東京大学史料編纂所の本郷和人教授の「歴史の舞台をゆく」も連載(不定期)中です。総ページ数は前年とほぼ同じ360ページでした。
会員企業の皆さまの事業などを紹介する記事も掲載しておりますので、ぜひ、ご活用ください。
▽川崎キングスカイフロント視察とゆめが丘ソラトス内覧 海外視察は、時間や費用の関係から、かつてのようには実施できませんでした。このため、県内に誕生した新規施設などの見学会を企画しています。2024年度は、前年の黒岩祐治知事の講演でも紹介されました川崎市の殿町国際戦略拠点キングスカイフロントで、生命科学やハイテク関係の研究開発施設、水素関係施設などの視察を同市産業振興財団のご協力で実施。100周年を迎えた同市の産業政策や街づくりについて三浦・同振興財団理事長(当時)からお話を伺いました。また、7月には相鉄グループのご協力で、相鉄いずみ野線ゆめが丘駅前の大規模商業施設ゆめが丘ソラトスの開業前の内覧会に参加させていただきました。同駅前の開発は横浜市内最大級のまちづくりといわれ、改めて県内のポテンシャルの高さを実感できたと思います。25年度も、県内で視察会を実施できるよう交渉していきたいと考えております。
▽チャリティーゴルフ 神奈川新聞社と共催で2024年11月8日、横浜市の程ケ谷カントリー倶楽部で、5度目のチャリティーゴルフを開催しました。神奈川政経懇話会会員28人、神奈川新聞社取引関係20人の計48人が参加し、快晴の下、腕を競い合うとともに、社会福祉のために参加者や協賛社の善意計4万円を、神奈川新聞厚生文化財団を通じて寄付させていただきました。
▽フリーランス新法への対応 2024年11月施行のフリーランス新法に基づき、講師やライター、カメラマンなどに必要な対応を始めました。
(了)