2014年5月講演会「消費税増税後の日本経済、地方経済の行方」/みずほ総研経済調査部長・矢野 和彦 氏

日  時  2014年5月20日(火) 13時30分~15時

場  所  ロイヤルホールヨコハマ 5階「リビエラの間」

講  師  みずほ総研 経済調査部長 矢野 和彦 氏


 

 ▽アベノミクスの第一の矢は量的・質的な金融緩和。日銀の狙いは資産価格上昇による景気回復だ。株式時価総額は150兆円以上も増加し、円安が進行、消費者マインドも回復し、企業収益は過去最高の水準になった。第二の矢の緊急経済対策で公共投資が増加、今後の課題は成長戦略に尽きる。
 ▽増税前の駆け込み需要が1~3月期の成長率を大きく押し上げた。耐久消費財の駆け込みは前回を上回る規模だ。その反動で、4月の百貨店売上高は1~2割減で1997年並み、新車販売の落ち込みは前回より小幅だ。県内の経済情勢は全国と同様、反動は見られたが持ち直しが続いている。
 ▽ベア復活で賃金が上昇して消費を下支えし、家計負担は前回より少ない。株価、為替が安定的に推移し、景気対策が増税の悪影響を緩和している。夏場以降景気は、回復基調に戻る見込みだ。来年度も回復を持続し、インフレ率は2%には届かないが、デフレ状態からは脱却する見込みだ。
 ▽2020年の東京オリンピックでは、直接的効果だけなく、「付随的効果」を極大化し再生につなげることが重要だ。つまり観光需要と都市力の強化だ。五輪開催を触媒に、インフラ整備を促進、民間投資を活性化させ、成長戦略の着実な推進を図る必要がある。