2014年4月講演会「パワーシフトと日本の進むべき道~これからの日米関係を中心に~」/PHP総研 国際戦略研究センター長、主席研究員・金子 将史 氏

日  時  2014年4月14日(月) 13時30分~15時

場  所  新横浜プリンスホテル 3階「ノクターン」

講  師  PHP総研 国際戦略研究センター長、主席研究員 金子 将史 氏


 

 ▽この1年、日本周辺では、サイバー攻撃や明白な武力行使にならない挑発など安全保障に関連する事象が北朝鮮、中国、ロシアによって十数件起きている。冷戦期の対立関係とは異なり米中間は経済的には密接だが、政治的には対立含みだ。
 ▽中国は共産党支配の不安定性や少子高齢化など制約要因が多々ある。一方、アメリカは相次ぐオバマ外交の不調や国防予算の削減で、「平和な欧州」「安定に向かう中東」という前提が揺らいでいる。
 ▽安倍政権の最優先課題は経済再生で、外交は「俯瞰(ふかん)する」「価値観」「主張する」外交を基本にしている。一方で、特定秘密保護法、新武器輸出三原則、集団的自衛権など安全保障の基盤強化をしている。安倍首相はプラグマティスト、ナショナリストの二つの顔があるが、公明党との関係、沖縄など問題は多い。
 ▽日本の対外政策の骨格は、アメリカを太平洋地域にとどめ、ルールづくりを主導し、ネットワーク外交を展開することだ。このため、日米防衛協力ガイドラインの改定、対中戦略のすり合わせ、同盟の拡大と総合化により、バージョンアップを図ろうとしている。