〝なるほど!感動カンパニー〟への挑戦
~逆境を生き抜くプラス発想~
| 開催日 | 2025年11月19日(水)午後1時30分~3時 |
| 会 場 | 崎陽軒本店4階「ダイナスティ-」=横浜駅東口 |
| 講 師 | 株式会社ありあけ創業オーナー 藤木 久三 氏 |
横浜銘菓「ハーバー」を復活させ、地域貢献を積極的に行っている、ありあけの創業オーナー藤木久三氏が19日、横浜市西区の崎陽軒本店で講演(神奈川政経懇話会主催)した。「七転び八起きではなく七転び、八転びだった」という挫折や逆境の連続だった84年の人生を振り返り、「私が大切にしている感動という言葉は、単なる涙や驚きではなく、心を前向きに動かす力になる」とその大切さを強調した。
演題は「“なるほど感動カンパニー”への挑戦~逆境を生き抜くプラス思考」。赤貧だった少年時代、開業したパンケーキ店の2年での閉店、共同経営者の裏切り、同志や長男ら大切な人の急死など、自殺を考え東尋坊(福井県)の断崖に立ったこともあった。鍵山秀三郎氏(現イエローハット創業者)や稲盛和夫氏(京セラ創業者)の著書から「恨んだり憎んだりせず、プラス思考で生きる大切さ」を学び乗り越えてきたという。
事業を拡大する中で、倒産した有明製菓のハーバー再生の相談を受諾。その復活の日、ある女性との出会いが人生を変えた。「病気で入院した時、母親から『ハーバーを食べれば元気になる』といわれ、隠れて食べた。その母親が亡くなり、ハーバーもなくなり、悲しかった。でも今日、復活してくれ、ありがとう」と手を握られた。これを機に「菓子製造業は、貧乏を脱して金持ちになるためのものではなく、感動を創造するものと考えるようになった」という。
「これからも横浜で、日本一感動体験ができる街づくりを藤木隆宏ありあけ社長や皆さまと協力していきたい」と続けた。
ふじき・ひさかず 株式会社ありあけ創業オーナー。1941年福井県生まれ。1960年福井県立丹生高校卒業後、社会人野球の名門・日本コロムビアに入団し9年間プレー。退部後レコード会社勤務を経て、ドンク東京などでパン・洋菓子の修業を積む。1977年センチュリーフーズの商号と店舗網を取得し専務取締役に就任。1994年長男を交通事故で失う(享年23歳)。センチュリーフーズの持ち株を手放し退社。洋菓子製造・卸売の株式会社プレシアを設立。旧有明製菓倒産(1999年)を機に「ハーバー」復活を決意し、2000年株式会社ありあけを創業、2001年に銘菓を復活させ〝感動創造業〟を掲げて事業を拡大。2007年スイートガーデン、2010年新杵をM&Aを用いて再生し、2013年プレシアホールディングス設立・代表取締役会長就任。2016年プレシアホールディングスを譲渡し、ありあけの経営に専念する。社会貢献にも熱心で、2022年横浜文化賞を受賞。横浜市在住。

