~シンポジウム「2025年の動向を読む」~
共同通信社3部長語る
開催日 | 2024年12月16日(月) |
会場 | メルヴィーユ6階「ヴァランセ」 |
シンポジウム | 午前11時~午後0時30分 |
交流会 | 午後 0時30分~1時30分 |
神奈川政経懇話会は16日、横浜市中区の会議場メルヴェーユで「2025年の動向を読む」と題してシンポジウム(12月定例講演会)を開催した。パネリストとして共同通信社の杉田雄心政治部長、加藤裕経済部長、清水健太郎外信部長が登壇。神奈川新聞社の鈴木達也論説主幹がコーディネーターを務め、「世界的に分断が進み、現職への逆風が吹いた」2024年を振り返り、25年について「景気は良くなってくる。株価も4万5千円に向かって上昇していくだろう」と予想した。
加藤経済部長は、米国のトランプ大統領が来年就任し、「ウクライナ戦争を終結させれば、世界的なインフレは収まるが、関税の引き上げや移民管理の厳格化ではインフレを加速させる」と説明。結果、ドル高円安になるが、日銀の利上げもあり為替は1ドル130円台~160円台と幅を持たせて予想。日本では「賃金が上がって個人消費が上向き、企業業績も全般的には良く、景気は良くなってくる」と見通した。
「ウクライナのゼレンスキー大統領は、北大西洋条約機構(NATO)に加盟し、交渉で領土を取り戻したい考えだが、ロシアは加盟を認めないだろう。トランプ大統領が終戦に向け、どう采配するか」と注目するのは清水外信部長。韓国について「尹錫悦(ユンソンニョル)大統領の弾劾訴追が憲法裁判所で認められれば、大統領選になる。しかし、本命の野党の代表も裁判を抱えており、代わる者が見当たらない」と、見通しの難しさを指摘した。
杉田政治部長は「少数与党の石破泥船政権だが、自民党内で代わろうとする者はいない。年内は政治改革や年収の壁などで野党側と譲歩し、新年に局面を切り替えていこうとしている。が、局面打開で計画した韓国訪問が、弾劾訴追で取りやめになるなど、うまくいっていない」とした。「夏の参院選の前哨戦となる都議選で、都議会の裏金問題が出ており、(参院選に向けて)石破政権の大きな悩みになっている」とした。
【シンポジウム講師】
◆パネリスト
共同通信社編集局政治部長
杉田 雄心 (すぎた・ゆうしん) 氏
1992年共同通信社入社、和歌山支局、神戸支局、大阪社会部を経て2002年政治部。09年ワシントン支局、19年参院選班長、21年編集局ニュースセンター整理部長、22年9月から現職。1969年生まれ、東京都出身。
共同通信社編集局経済部長
加藤 裕 (かとう・ゆたか) 氏
1999年共同通信社入社。大阪経済部、宮崎支局を経て、2004年経済部。11~13年に名古屋経済部デスクを担当した後、経済部でデスク、担当部長、副部長、外経合同デスク長を務め、23年ニュースセンター整理部長、24年6月から現職。1970年生まれ、北海道出身。
共同通信社編集局外信部長
清水健太郎 (しみず・けんたろう) 氏
1992年共同通信社入社。大阪社会部などを経て2001年外信部。カブール支局長、モスクワ支局、ニューデリー支局長、ジャカルタ支局長、バンコク支局長、ニュースセンター整理部長、特別報道室室長などを経て24年7月から現職。1966年生まれ、山梨県出身。
◆コーディネーター
鈴木 達也 (すずき・たつや) 氏
1990年神奈川新聞社入社。本社編集局報道部、経済部、川崎支局、鎌倉支局、横須賀支社などを経て2014年に編集局報道部長、18年編成部長。19年から現職。1966年生まれ、横浜市出身。