2023年7月の定例講演会/「Vibrant(バイブラント) INOCHI(いのち)」/神奈川県知事/黒岩 祐治  氏

「Vibrant(バイブラント) INOCHI(いのち)」*

日 時 2023年7月12日(水)

会 場 ロイヤルホールヨコハマ(みなとみらい線日本大通り駅から徒歩)

講 師 神奈川県知事 黒岩祐治 氏

講演会 午後4時~5時 5階「リビエラ」

交流会 午後5時~6時 4階「エリゼ」


100歳で笑い合える社会を/神政懇定例会 知事「いのち輝く」講演

 黒岩祐治知事は12日、横浜市中区のロイヤルホールヨコハマで開かれた神奈川政経懇話会の7月定例会で、県政運営の基本理念に掲げる「いのち輝く」をテーマに講演した。

「いのち輝く」の具体像について、知事は「多様性や豊かなコミュニティーを基礎に、一人一人が安心できる環境で健康かつ幸せに暮らせること。病気のない社会はつくれないが、100歳になっても笑い合える究極の姿を目指す」と述べた。

その上で、注力する未病改善と最先端医療の追求を融合したヘルスケア・ニューフロンティア政策を着実に進展させる必要性を強調。心身の状態は健康と病気で分けられず、その間にある「未病」の改善で健康寿命を伸ばすアプローチに関しては「世界各国や国際機関と協定を結ぶなど、ネットワークが広がっている。政府の健康・医療戦略にも未病の考え方が取り入れられている」と語った。

高齢化が進む県営団地で展開している合唱事業や、県内のシニア劇団の活動などを紹介。「マグネット・カルチャー」と銘打つ文化芸術施策とも連動して未病改善のアプローチをさらに浸透させる考えを示した。

「未病改善施策に関しては県議会から『成果が見えない』と指摘されるが、長期的に取り組むことが必要だ。それでも、何とかして4期目で具体的な成果を見せられるようにしたい」と述べた。

定例会には県内の企業経営者ら約80人が出席した。

 

くろいわ・ゆうじ1954年 兵庫県神戸市出身。早大政治経済学部卒。80年フジテレビ入社。報道記者やディレクター、キャスターなどで活躍。2011年4月から県知事。「いのち輝くマグネット神奈川」の実現を目指し現在4期目。13年内閣官房健康・医療戦略参与、14年同ロボット革命実現会議委員。22年WHO(世界保健機関)など複数の国際機関が連携し実施する「The Healthy Ageing 50」高齢化社会をよりよくする世界のリーダー50人に日本人として唯一選出された。

*訳すると「いのち輝く」。一人ひとりが安心して自分の幸福や生きがい、未来を想い、自分らしく輝く、との意。