2018年6月の定例講演会/今、なぜ、女性活躍?~国際潮流から考える日本の現状とこれから~/関西学院大学総合政策学部客員教授 、「サンデーモーニング」コメンテーター・大崎 麻子氏

日 時: 2018年6月13日午後1時30分~3時

会 場: ホテル横浜キャメロットジャパン4階「フェアウィンドⅡ」

講 師: 関西学院大学総合政策学部客員教授
     「サンデーモーニング」 コメンテーター ・ 大崎 麻子 氏


 関西学院大学総合政策学部客員教授で報道番組「サンデーモーニング」(TBS)のコメンテーターを務める大崎麻子さんが「今、なぜ、女性活躍? 国際潮流から考える日本の現状とこれから」と題して講演。「経済の持続的発展には、ジェンダー平等、女性の活躍は不可欠であることは世界共通のコンセンサス」と話した。
 講演要旨は次の通り。
 ▽カナダで先週開かれたG7(先進7カ国首脳会議)は、貿易問題や北朝鮮問題に焦点が当たりがちだったが、ジェンダー平等が重要な七つのアジェンダ(検討課題)の一つに位置付けられた。議長国カナダのトルドー首相のリーダーシップによるところが大きい。2015年に就任したトルドー氏は、閣僚を男女半々にし、移民を入閣させるなど社会の多様性を体現する閣僚構成の実現に尽力した。
 ▽G7の議論や首脳コミュニケ(声明書)をみると、ジェンダー平等と女性のエンパワメントは、経済と人権が融合し持続可能な社会と経済の必須条件であるという考え方が共有された。こうした議論の潮流は日本では報道されず、知られていない。
 ▽日本は20年までに管理職の女性割合を30%にすることを政策目標にしているが、これは国際社会では20年前のゴールだ。今はCEO(最高経営責任者)を40%にすることが国際的な目標になっている。
 ▽アベノミクスの成長戦略の一つに女性活躍がある。経済市場が縮小する超少子高齢社会では、女性という使われてこなかった力を活用し国際競争力を高めないと、誰も日本という国に投資しなくなる。

 

 

おおさき・あさこ 鎌倉市出身。上智大学比較文化学部卒。米・コロンビア大学国際公共政策大学院にて国際関係修士号(国際 人権・人道問題専攻)を取得。国連開発計画(UNDP)で、途上国のジェンダー平等と女性のエンパワーメントの推進を担当し、世界各地で女子教育、雇用・起業支援、政治参加の促進、紛争・災害復興などのプロジェクトを手がけると共に、UNDP内部の「働き方改革」にも従事。大学院在学中に長男を、UNDP在職中に長女を出産し、子連れ出張も多数経験。現在はフリーの国際協力・ジェンダー専門家として、政府関係機関、国際機関、NGO、大学などで幅広く活動中。東日本大震災後の被災地での女性支援を機に、 日本国内の男女共同参画と女性活躍の推進にも取り組んでいる。公益財団法人プラン・インターナショナル・ジャパン理事、聖心女子大学非常勤講師。サンデーモーニング(TBS系)コメンテーター。内閣府男女共同参画推進連携会議有識者議員、外務省安保理決議1325号「女性、平和、安全保障」に関する行動計画評価委員、外務省国際女性会議WAW!国内アドバイザー。