「参院選神奈川・横浜市長選と今後」
開催日 | 2025年9月24日(水)午後1時30分~3時 |
会 場 | 県立かながわ労働プラザ4階 第5・6・7会議室 |
講 師 | 神奈川新聞社特別編集委員 有吉 敏 氏 |
神奈川新聞社の有吉敏特別編集委員は24日、神奈川政経懇話会で講演し、自民党総裁選(10月4日投開票)で「小泉進次郎農相(衆院11区)は、かなり優位にある」との分析を披露し、菅義偉元首相(2区)以来の、地元神奈川選出の総理大臣誕生を予測した。
昨年の総裁選で3位となった小泉氏がその後、1年で力をつけ、「ポスト石破」の最有力候補となったポイントとして有吉氏は、2点を挙げた。小泉氏が自民党の選挙対策委員長をやめた後、「政治とカネ」問題解決を担う党政治改革本部事務局長を引き受け、野党に攻められ、泥まみれになりながら務め切り、野党とのパイプをつくったこと。
もう1点は、農相を引き受け、コメの価格低下に尽力したこと。有吉氏は農相就任の際に「(閣内への取り込みは)総裁選への小泉氏出馬つぶし狙いもあるのでは」と同氏に尋ねたが「そんなことはどうでもいい話。今は仕事を選ばず、党再生のために汗をかくしかない」との答えが返ってきたという。つらい仕事をあえて引き受け泥まみれの仕事ぶりを見せたことで、党員の支持が広がったと推測した。
さらに「今回は選択的夫婦別姓の導入など党内に大きな対立がある政策の主張は避け安全運転に徹している」と付言した。
総裁選の総票数は590票(議員、地方295票ずつ)。有吉氏は「小泉氏は議員票、地方票とも100を超す勢いだ。特に議員票は相当な積み増しがあるのではないか」と分析。過半数に届かなくても上位2人に残る可能性は高く「決選投票になれば議員票がさらに重くなる。かなり優位だ」と予測した。現段階では首相指名での野党連携成立の可能性は低く、自民新総裁が首相に就く可能性は高いという。
ありよし・さとし 1963年横浜市出身。87年神奈川新聞社入社。国会キャップ、神奈川県政キャップ、横浜市政キャップ、報道部次長兼国会キャップ、経済部長、経営企画局長、横須賀支社長などを経て、2020年10月から現職。政治畑が長く国会キャップを2度務めており、小泉純一郎総理をはじめ、菅義偉元総理は横浜市議時代から、小泉進次郎農相は新人時代から取材を続けている。
曽祖父は県知事・横浜市長、祖父は日本郵船会長、父は三菱重工横浜製作所長を務めるなど、横浜の政財界に関わる家系で、地元愛は誰よりも強い。