2021年4月の定例講演会/日本の危機管理の現状と課題~コロナ禍と東京2020/日本製鉄顧問 第92代警視総監/高橋 清孝氏

演 題:日本の危機管理の現状と課題~コロナ禍と東京2020

日 時:2021年4月20日(火)   午後1時30分~3時

会 場:ホテル横浜キャメロットジャパン5階「ジュビリーⅡ」

        ⇒YouTubeによるライブ配信に変更

講 師:日本製鉄顧問 第92代警視総監  高橋 清孝 氏


 神奈川政経懇話会は20日、4月の定例講演会をユーチューブによるライブ配信で実施した。日本製鉄顧問で第92代警視総監を務めた髙橋清孝氏が「日本の危機管理の現状と課題~コロナ禍と東京2020」と題して講演。開幕まで3カ月に迫った東京五輪・パラリンピックについて「猛暑、台風多発、新型コロナウイルス感染拡大」などに懸念を示した。
 内閣危機管理監も務めた髙橋氏は、2016年7月に公開された東宝映画「シン・ゴジラ」を引き合いに、「国の危機管理を真正面からとらえた唯一の映画」と話した。映画にも登場する危機管理監について「職務は緊急事態対応」とし、大きな被害をもたらしたゴジラの出現を緊急事態に見立て、「国や国民に被害を及ぼすもの全てが緊急事態」と強調した。
 福島第1原発事故には内閣官房危機管理審議官として対処した。▽地震、津波、原発事故の同時発生▽複数の原子炉の同時事故▽事業者による収束困難な過酷事故─といった特徴を挙げ、「住民避難の備えが全くできておらず、広範囲かつ長期の住民避難を余儀なくされた」と述べた。
 東京五輪・パラリンピックを安全で円滑に開催する対策として「セキュリティー」「交通」「突発事態・感染症」を列挙。特に感染拡大が続く新型コロナ対策では「観客を入れるか入れないかで大きく変わる」と危機感をにじませた。
 講演会は横浜市西区のホテル横浜キャメロットジャパンで撮影、配信した。

 

たかはし きよたか 専門は安全、危機管理、組織運営。1957年千葉県出身。80年3月東京大学法学部卒業。80年4月警察庁入庁。大阪府警察本部箕面署長、警察庁外務課理事官、警視庁広報課長、同公安二課警衛室長、沖縄県警察本部本部長、北海道警察本部本部長、警察庁警備局長などを歴任し、2015年8月第92代警視総監。16年8月内閣官房内閣危機管理監(第20代)、19年4月退官。日本生命保険相互会社特別顧問を経て、20年12月から日本製鉄顧問。