2021年度事業報告
▽はじめに 神奈川政経懇話会が設立から55年目に当たる2021年度は、前年度に引き続き、新型コロナウイルスの感染状況に左右されながらも、神奈川新聞社との連携強化の下、事業の充実や会員の増強に努めました。この活動方針は2022年度も継続していきます。また、国の公益法人改革を受け、12年4月に一般社団法人に移行後、神奈川県に認可を受けた公益目的支出計画を22年3月末で完了でき、本年6月には完了確認請求を行う予定です。
さて2021年度は、デルタ株のまん延とそれに伴う緊急事態宣言の発令、オミクロン株のまん延に伴うまん延防止等特別措置による講演会の開催延期やユーチューブによるライブ配信への転換などが続き、会員の皆様にはご迷惑をおかけしました。ただ、年間を通して見ますと、ワクチン接種による感染状況の改善もあり、会員の皆様が出席するリアル形式の講演会を6回開くことができました。オンライン講演会も5回となり、計11回の講演会を開催しました。
事業環境は、年度が変わった現在、少しずつ改善しているものの、感染状況を見極めつつの事業実施とならざるを得ません。引き続き会員の皆様にとって役に立つ事業展開と組織運営に注力してまいります。
▽定例講演会は11回開催 幅広い分野から講師を招き毎月開催している定例講演会は神奈川政経懇話会の事業の柱です。2021年度は、始まった新型コロナウイルスのデルタ株の感染拡大で前半はオンライン講演が中心で、ワクチン接種が進んで感染者数が低下した後半はリアル形式での講演を中心に行うことができました。
中でも横浜選出の衆議院議員で初の内閣総理大臣になられた菅義偉氏に2022年2月に講演してもらい、ソーシャルディスタンスで入場者数を半減した会場をほぼ埋め尽くす120人を超える参加者に集まっていただきました。このほか、会員のかながわ信用金庫の平松廣司理事長に大河ドラマや新1万円札で注目の「渋沢栄一」をテーマにお話しいただき、同じく関東学院の規矩大義理事長にゲリラ降雨や土砂崩れ、地震などの「災害への備え」といった関心の高いテーマで語っていただきました。そのほか、専門家の方々に、デジタル改革をはじめ、衆院選を前に総選挙シンポジウム、東京五輪前にオリンピック・パラリンピックと時宜を得たテーマで講演していただきました。ただ、本年最初の講演会は、オミクロン株の急激な感染拡大で講師からの申し入れにより中止になってしまい、ご迷惑をおかけしました。
また、公益事業として、広く県民に呼びかけて募集する講演会への一般参加は、新型コロナ感染防止の観点から実施することができず、代わりに講演会を録画したユーチューブ動画を3回配信して実施し、延べ601人が視聴しました。
計11回の定例講演会には延べ17人の専門家らが講師を務めました。分野ごとに大別すると衆院選など政治3回、危機管理・防災2回、デジタル改革1回、東京五輪・パラリンピック1回、女性活躍推進1回、渋沢栄一1回、ラグビー1回で、毎年好評の翌年の政治、経済、外交を共同通信の3部長に占ってもらうシンポジウム1回となっており、タイムリーで幅広いテーマの定例講演会が開催できたと考えております。
3月の定例講演会で通算1221回の開催となりました。
▽公益事業は3回実施 公益目的支出計画には公益事業として年2回の定例講演会に県民を無料招待することが明記されており、毎年実施してきました。しかし、2020年度から、新型コロナの感染リスク回避のため、無料招待は実施せず、講演会映像を約2週間の期間限定で、神奈川政経懇話会ホームページ上で一般公開する方法で実施しています。21年度も講師の了解を得て、3回の公益事業を実施することができました。1回目の公開は2021年9月22日開催の定例講演会「総理番記者が見た自民党総裁選」(講師=有吉敏・神奈川新聞特別編集委員)を9月24日~22年3月22日、2回目の公開は21年7月12日開催の定例講演会「『論語と算盤』と信用金庫経営」(講師=かながわ信用金庫・平松廣司理事長)を21年12月10日~23日、3回目の公開は22年2月14日開催の定期講演会「政権運営の1年と今後」(講師=菅義偉・前内閣総理大臣)を22年3月8日~22日、行いました。
▽会報は年間のページ数増 年間21回(第2、第4火曜日)発行している会員向け情報誌「政経かながわ」は、2022年3月22日号で通算2159号になりました。定例講演会の詳報や、神奈川新聞編集局幹部が順番で執筆している「視点点描」、県内の景気動向を見る「神奈川景気データファイル」をはじめ、政治、経済、国際、社会、スポーツなどさまざまな分野の旬の話題をお届けしております。会員企業の事業などを紹介する会員コーナーも設けています。総ページ数は408ページで、コロナ禍前の年間388ページに比べ、2年連続での増ページを続けました。22年1月からは、県内の経済ニュースなどを充実させるべく取り組んでいます。
▽視察事業は実施見送り 2021年度も新型コロナ感染拡大の影響で前年度に続き、視察は実施することができませんでした。2022年度は、横浜市中区に完成した日本初の高層純木造ビルの見学会など、一般ではなかなか入ることができない施設などを中心に準備を進めております。