2021年度事業計画

▽はじめに
 1966年4月19日に神奈川新聞社の一部門として誕生した神奈川政経懇話会は、今年で設立55周年を迎えます。神奈川政経懇話会は全国の地方紙に設置されている政経懇話会では最も古い歴史を持ちます。2019年度から神奈川新聞社との連携強化を打ち出し、事業の充実や会員数の増強に力を入れております。会費で運営される神奈川政経懇話会にとって会員数の増強は組織運営の基盤強化につながり、さらに事業の充実を図る上で最重要事項となります。2021年度も神奈川新聞社との連携をさらに強化し、会員にとって役に立つ事業展開、組織運営に注力していきます。
 2020年度の事業実施は、新型コロナウイルスの感染拡大で、定例講演会の中止や延期など見直しを迫られました。2021年度も引き続き新型コロナの感染状況を見極めながらの事業実施になると考えられます。定例講演会は会員が出席するリアル方式での開催を基本にしますが、感染状況に応じて、新型コロナ対策で2020年度から初めて取り入れたオンライン講演会も活用していきます。

 さて、2021年度の国内は、新型コロナの影響で停滞した経済活動や社会活動、市民生活の立て直しが求められる1年になりそうです。今年2月から医療従事者を優先にワクチン接種も始まり、感染状況の好転が期待されています。重要案件としては、新型コロナの影響で開催が1年延期された東京五輪・パラリンピックが筆頭でしょう。組織委員会の会長交代などがありましたが、政府の開催方針は変わっていません。五輪は7月24日から8月9日まで、33競技339種目が42会場で実施され、神奈川ではセーリング、野球、ソフトボール、サッカー、自転車ロードレースが実施されます。パラリンピックは8月25日から9月6日まで、22競技539種目が21会場で実施されます。
 政局に目を向けますと、最大の関心事は総選挙です。現在の衆議院議員の任期は10月までです。さらに自民党の菅義偉総裁(首相)の任期は9月までです。新型コロナ対策が最優先される中、現時点では五輪・パラリンピック後の実施が有力視されていますが、「一寸先は闇」と言われるのが政治の世界です。政治状況によっては菅首相の早期退陣による解散総選挙もあり得ます。
 経済では、新型コロナの影響からいかに脱却し立て直せるかが課題になります。しかしながら、株はバブル期さながらの高値で推移しており、その反動が心配されます。五輪後の景気落ち込みも懸念されています。
 外交では、政権が変わった米国、海洋進出を強める中国、歴史問題が横たわる韓国、対話の糸口すら見いだせない北朝鮮、領土問題で強硬姿勢を見せるロシアなど、課題が山積しています。

 こういう不安定な時代だからこそ、神奈川政経懇話会では会員の期待に応えるべく、会報の発行や講演会の開催などを通じて的確な情報、タイムリーな情報をお届けしていきます。

▽定例講演会の開催
 神奈川政経懇話会の事業の軸は、幅広い分野から講師を招いて毎月開催する定例講演会です。県から認可されている事業計画では、年12回の開催が定められています。
 【2020年度】新型コロナの影響で4、5月を中止とし、6月からユーチューブでライブ配信する初めてのオンライン講演会を開催し、定例講演会を再開しました。詳しくは5月開催の決算理事会での報告になりますが、2月までにオンライン講演会を10回(自主開催4、共催6)、会員が出席するリアル講演会(自主開催)を3回、計13回開催しています。3月16日は前原子力規制委員会委員長の田中俊一氏を講師にオンライン講演会(共催)を予定しています。
 【2021年度】引き続き新型コロナの感染状況を見極めながらの開催となります。リアル講演会を基本とし、状況によってオンライン講演会に切り替えるなど柔軟に対応し、年間12回開催していきます。開催に当たっては企業経営者らを中心に神奈川の人材にできるだけ光を当て、会員企業にとって経営のヒントにつながるような講演会にしていく方針です。「こういう人の講演を聞きたい」「こんなテーマで講演会を開催してほしい」という要望があれば事務局にお寄せください。
 定例講演会は時局に応じたタイムリーな話題をお届けできるよう心掛けており、講師や演題は開催1カ月~1カ月半前の案内になります。2021年4月は危機管理の専門家による講演会を計画しており、準備が整い次第ご案内いたします。新型コロナ対策として2020年度から取り入れたオンライン講演会は、Wi-Fiなど通信環境の確保が不可欠なため使用できる会場が限られる上、講師によってはオンライン講演会を断るなどのマイナス面があります。しかしながらコロナ後をにらんだ新しい開催スタイルとしては有効であり、ノウハウの蓄積に努めます。

 新型コロナの感染状況によっては、開催方法の変更などが考えられます。会員の皆様にはご理解とご協力いただきますようお願いいたします。

▽会報の発行
年間21回発行している会報「政経かながわ」は、2021年3月23日号で通算2135号になります。誌面は、神奈川新聞社編集局幹部が輪番で執筆する「視点点描」、定例講演会の詳報、県内の景気動向を見る「神奈川景気データファイル」のほか、共同通信社から記事を購入している政治、経済、文化各分野等の旬の情報、身近な話題の「くらし2021」、最新の技術や商品等を紹介する「企業最前線」などで構成されています。随時掲載となりますが、会員の事業活動、新商品、 人事などジャンルを問わないさまざまな情報を紹介する「会員コーナー」を設けました。2021年度も引き続き内容の充実に努めていきます。

▽国内視察事業
 5月の連休前後に横浜・みなとみらいの「神奈川大学みなとみらいキャンパス」で、完成したばかりの校舎の見学会と講演会の開催準備を進めています。また2020年度に新型コロナの影響で中止になった川崎臨海部の先端技術拠点の視察も、秋の実施に向け関係機関と協議していきます。

▽公益事業の実施
 県民一般を対象にした公益目的事業は、県に提出した公益目的支出計画に実施義務が明記されています。神奈川政経懇話会では年2回、定例講演会に読者を無料招待するという形で公益事業を実施してきました。しかしながら、新型コロナ感染拡大の状況下では人が集まることに大きなリスクが伴うことや行政からの自粛要請、加えて講演会の開催方法がオンライン主体となったため、2020年度は読者招待を実施しませんでした。その代替として収録した講演会映像を2週間の期間限定で1回、一般公開いたしました。講師の了解の下、2020年度内にもう1回実施する考えです。