2014年10月講演会「タニタの経営論~世界初・家庭用体脂肪計、タニタ食堂誕生秘話を交えて~」/株式会社タニタ前代表取締役会長・谷田 大輔 氏

日  時  2014年10月1日(水) 14時~15時30分

場  所  横浜情報文化センター 6階「情文ホール」

講  師  株式会社タニタ前代表取締役会長 谷田 大輔 氏


 

 ▽厚生労働省が初めて発表したが、健康寿命は平均寿命より男女とも10歳前後短い。体重が寿命を左右し、10キロ違うと10歳以上寿命が短くなる。タニタの社員食堂は、工場移転の跡地利用から始まった。高肥満者への食事指導をしていたセンターを廃止し、そのスタッフの活用もあった。減量での注意点は最低限のタンパク質の摂取、時間をかけての繊維質の摂取だ。
 ▽社員の健康に気を付けていた。35歳以上の夫婦は人間ドックを受診させ、ストレス管理をして、メタボの解消を図った。赤字企業から脱却するため、事業部単位で収支を確認し、全社員の理解を得て、生産効率を向上させ、次はコンセプトを変えた。体重計ビジネスから体重ビジネスへ、次に健康ビジネスだ。そこで世界で初めての新しい製品を作った。これが体脂肪計だ。
 ▽オンリーワンの開発は好循環を生み、ブランド力が高まり、高収益を生むようになった。グローバル企業には必ず競争戦略があるが、タニタの場合、それを社内での異業種交流に求めた。そのために合理化し人材育成をした。健康寿命を延ばすために、食・料理の開発も行っている。
 ▽社会や国の健康のための提言もある。税負担の軽減、国家予算の削減、単年度会計から中長期会計への転換、国有企業の民営化などいろいろある。生涯安心して暮らせる社会を考えるべきで、それには皆が働ける社会が必要だ。世界の健康へ日本がリーダーシップをとることを提案する。