2013年8月講演会「東日本大震災と、これからの地震災害」/慶応義塾大学環境情報学部准教授・大木 聖子(さとこ)氏

日  時  2013年8月7(水) 13時30分~15時

場  所  ホテルキャメロットジャパン 4階「フェアウィンドⅢ」

講  師  慶応義塾大学環境情報学部准教授 大木 聖子(さとこ)氏

 


 

 ▽地震、台風、津波などは災害と思われているが、これは自然現象。人間・社会との間で災害は起こっている。人間が変わったり、社会が強くなったりすることで、災害は減らすことができる。普段から、どんな想定外の災害が起こっても失ってはならないものは何かを考えておくことが大切だ。
 ▽世界の地震の10%は日本で起きている。「うちは大丈夫」「しばらく起きない」と考えるのは間違いで、阪神大震災級の地震が日本のどこで、いつ起きてもおかしくない。首都直下型地震も南関東ならどこでも起こりうる。この100年で5回起こっている。
 ▽地震は岩が割れること。マグニチュード(M)7.3の阪神大震災は、直下型地震で長さ50キロ、幅20キロにわたって岩が割れた。M8の関東大震災は長さ130キロ、幅60キロだった。地震の速度は1秒間に3キロ。M7だと15秒、M8は1分、M9は3分間、揺れが続く。この間、生き抜くことだ。
 ▽そのために揺れに対する防災活動が普段から必要だ。阪神大震災は15秒の揺れだったが、死者のうち88%が圧死。家具の固定はもちろん、津波を含めて想定外のことも起こるので、それぞれの立場で最低限のことを確認し、周りの人と認識を共有しておくことが大事だ。