2017年10月の定例講演会「訪日中国人の観光と消費行動」/三菱総合研究所研究員・劉 瀟瀟 氏

日 時  2017年10月11日(水) 午後1時30分~3時

会 場  ホテル横浜キャメロットジャパン 4階 「フェアウィンドⅡ」

講 師  三菱総合研究所 研究員     劉 瀟瀟 氏

 


 

 三菱総合研究所研究員の劉瀟瀟(りゅう・しょうしょう)さんが「訪日中国人の観光と消費行動」と題して講演。中国人観光客のマナーに触れ、「悪いのではなく、日本人と違うということを理解してほしい」と話した。
講演要旨は次の通り。
 ▽ことし8月の訪日中国人は82万人を超え、過去最高となった。全訪日外国人の33%を占め、人数、消費額とも堅調に推移している。2014年以降は数次ビザを取得した個人客が急増し、地方を訪れるなど個性的な旅行を求めている。
 ▽訪日中国人を理解するポイントは、①人情や風土が魅力的な地方への関心②訪日経験者から気軽にアドバイスを受けられる圏子(チュエンズ=人間関係の広がり)③ドラマや映画のロケ地を訪問するストーリー性を重視-などがある。
 ▽中国は世界一のスマートフォン社会になった。支払いもスマホで済ますなど、衣食住も旅行もスマホに依存している。情報発信はチラシよりSNS(会員制交流サイト)が効果的。神奈川に関する中国語の情報発信量は日本のトップレベルだ。
 ▽神奈川では、江ノ電に地元住民が乗れないほど混雑する半面、ほとんど誰も訪れない都市もある。訪日中国人に慌てて対応するだけで、観光資源を十分に活用していない。神奈川ブランドを拡散するためSNSアカウントを開設するなど戦略が重要だ。

 

りゅう・しょうしょう  中国・北京市生まれ。外交学院卒業後、みずほコーポレート銀行(現みずほ銀行)中国法人に入行、営業と業務に携わる。その後、東京大学大学院修士課程修了、三菱総合研究所に入社。東京大学大学院、三菱総合研究所での研究を踏まえ、中国の動きを客観的かつ理論的に解説。中国在住者との豊富なネットワークを活かし、中国マーケット動向の「今」を分析、発信する。