2015年6月講演会「経営者がカギ握るマイナンバーへの対応~厳格になるプライバシー管理とトップの責任」/日本個人情報管理協会理事長・中島 洋氏

日 時  2015年6月3日(水) 13時30分~15時00分

場 所  新横浜プリンスホテル 3階「ファンタジア」

講 師  日本個人情報管理協会理事長  中島 洋 氏

 


 

 ▽マイナンバー制度は10月から通知カードを送付、来年1月から実施される。税の公平な負担、年金などの公平な適用がその趣旨だ。行政事務は簡素化するが、企業負担は増える。企業は個人番号の収集、管理、行政機関への提出が義務付けられ、なりすまし防止のために厳格な本人確認が求められる。
 ▽このためガイドラインでは安全管理の措置を求めている。基本方針、取り扱い規定を策定し、責任者および事務取扱担当者を指定、適切な教育を行う。マイナンバーを扱う場所を決め、ネット対応とは別のパソコンを使うべきだ、との考えだ。外部委託する場合は、委託者はすべての受託者への監督義務が発生する。
 ▽韓国では20年前から個人カードが使われ、電子行政が進んでいるが、日本でも共通番号制が電子行政の根幹として検討されてきた。1968年に「各省庁統一コード」が検討されたが、頓挫。1980年の少額貯蓄等利用者カード(グリーンカード)制導入も5年後に廃案。1999年に住民基本台帳ネットワーク法が成立したが、国民総背番号制だと反対の声が強かった。しかし、消えた年金問題で共通番号の必要性が再認識され昨年、マイナンバー法が成立した。
 ▽これまでのネックだった各省庁の利害の対立が解消され、行政手続きの基盤としたこと、個人カードの交付を国から自治体への受託業務にしたことで態勢が整った。秘匿すべき番号の住民票コードと違い、マイナンバーは民間で使う。また安全管理措置があり、死者のマイナンバーも保護対象にしている点などが個人情報保護とも相違している点だ。