2014年12月講演会・交流会~シンポジウム「2015年の動向を読む」~

日 時  2014年12月12日(金)

場 所  横浜ベイシェラトンホテル&タワーズ 4階「清流」

シンポジウム     11:00~12:30

交流会     12:40~14:00

◇シンポジウム出席者◇

【コーディネーター】

神奈川新聞社 論説主幹 中嶌 弘孝 氏

【パネリスト】

共同通信社政治部長 鈴木 博之 氏

共同通信社経済部長 谷口 誠 氏

共同通信社外信部長 儀間 朝浩 氏


 

 12月の定例講演会を横浜駅西口の横浜ベイシェラトンホテル&タワーズで開き、コーディネーターに中嶌弘孝神奈川新聞社論説主幹、パネリストに鈴木博之共同通信社政治部長、谷口誠同社経済部長、儀間朝浩同社外信部長の3氏によるシンポジウムを行った。
 「2015年の動向を読む」をテーマに、来年1年を漢字一字で表現した。鈴木部長は「分」。憲法改正に必要な3分の2の議席確保の分岐点の選挙であり、その意味でも分をわきまえてほしい。谷口部長の「拡」は責任を持って景気拡大をしてほしい、と期待のコメント。儀間部長は「素」。建前より本音が重要になる、と強調した。中島論説主幹は「地」。地に足をつけた政治と、地方創生にポイントをおいた。

【シンポジウム要旨は次の通り】

 ▽鈴木部長 総選挙の結果、自民党は295議席プラスアルファ、公明党を合わせ3分の2を超える勢い、と分析。その理由として野党の準備不足、低投票率を挙げた。地方は自民圧勝、県内18選挙区も大勢は自民で、競り合い1、苦戦2選挙区の情勢と解説した。
 ▽谷口部長 アベノミクスは株高円安で経済は活性化したが、弊害も出ている。円安が意図とは違う方向性にあるし、株高と景気の実態が見合っていない、増税の影響が克服できていないと指摘した。財政運営の面でも景気対策が人手不足で執行できていないが、アベノミクスの評価はこれからだ、と解説した。
 ▽儀間部長 アジア太平洋経済協力会議(APEC)で安倍晋三首相と握手した習近平主席に笑顔が見られなかったが、これはきわめて中国国内向けのポーズで、警戒心が解かれていない証しだ。靖国参拝を問題にしているが、安倍政権が長期政権になることもにらんでいる、と指摘した。イスラム国に対しては空爆だけでは駄目なので、米国内には地上軍派遣の意見が増えてきている、と指摘した。
 ▽安倍政権の今後について鈴木部長は、今回は「もっと長くやりたい解散」とも言われている。来年の総裁選で改選されれば18年、さらに特例でオリンピックの20年までもありうる、と解説。谷口部長もTPP(環太平洋連携協定)が成長戦略の柱で、農業、医療などの規制緩和を進めるため、年明けにも閣僚会議開催の話がある。ただ、物価の2%達成、社会保障費の確保などまだ先が見えない難問もある、と指摘した。