2019年4月講演会/安倍1強と改憲議論~統一地方選から参院選へ~/政治評論家/有馬 晴海 氏

日 時 2019年4月22日(月) 午後1時30分~3時

会 場 ロイヤルホールヨコハマ5階「リビエラの間」=みなとみらい線「日本大通り駅」出口3

講 師 政治評論家  有馬 晴海 氏


 政治評論家の有馬晴海さんが「安倍1強と改憲議論~統一地方選から参院選へ~」と題して講演。今夏の衆参同日選の可能性について、「野党がだめだから参院選は自民党が勝利するだろう。自民にとって同日選を行う必要がないのではないか」という見方を示した。

 講演要旨は次の通り。
 ▽今年は統一地方選と参院選が重なる12年に1度の亥(い)年現象。12年前は第1次安倍内閣の末期で、参院選は惨憺(さんたん)たる結果だった。当時は市町村合併が進み、5万4千人いた地方議員は保守系を中心に1万5千人減り3万9千人になった。「宙に浮いた年金問題」も起き、内閣支持率は急落した。
 ▽安倍内閣は憲法改正を2018年9月の総裁任期までに議論するつもりでいたが、森友・加計問題や厚生労働省の勤労統計改ざん問題などでほとんどできなかった。任期が3年延び、改憲議論はできるはずだが、最近は国民の理解が進んでいない現状などからややトーンダウンしている。安倍首相は今年11月20日に迎える在任期間の歴代最長をにらみ安全運転に努めている。
 ▽自民にとって、参院選で勝てるなら衆院選を一緒に行う必要はない。参院選勝利より衆院議員が5人でも10人でも減ったら、その方がまずい。衆院議員数は維持しつつ、参院議員数は増えなくても現状維持、減ったとしてもそれほど減らなければいいということだと思う。
 ▽安倍首相は18年9月の総裁選で勝利し、「消費税は必ず上げる」と宣言した。首相には増税のカードしかない。自民の萩生田光一幹事長代行の「増税延期もあり得る」という発言は、首相がいろいろな政策を出しやすくしようと別のカードを出したということではないか。永田町の首相への忖度(そんたく)はすごい。

 

ありま・はるみ 立教大学卒。リクルート勤務を経験し、1985年国会議員秘書となった後、96年に政治評論家として独立。テレビやラジオで政治評論やコメンテーターとして活躍しているほか、週刊誌やスポーツ紙で連載記事も執筆している。豊富な人脈を持ち、さまざまな裏話を披露、その歯切れの良い話しぶりには定評がある。政治勉強会「隗始(かいし)塾」を主宰し、国民に分かりやすい政治を実践する。ポスト小泉レースで用いられた「麻垣康三(麻生太郎、谷垣禎一、福田康夫、安倍晋三の4氏)」の名付け親でもある。